S君が訪ねてきた。事前に電話を寄越し「先生、お久しぶりです!就職試験の面談をお願いします!」愛想の良いしっかりした子がさらにしっかりした。

3年間高校野球に没頭し無遅刻・無欠席の皆勤を続けている。こういう子が落ちる訳がない。1部上場の大企業のその面接は個人で実施され1人30分という長さだ。規律正しい緊張感のある部分とざっくばらんな雑談とが見事なバランスである。

大学受験もそうだが18歳の子が1人で大都会に出て試験を受けてくる。不安と緊張でいっぱいだろう。そんな壁を1つ1つ乗り越えて一人前になる。元気・根性が古臭いと揶揄される昨今だが、S君は高校野球で楽しい事よりも辛いことが多かったに違いない。我慢すること、耐えることがしっかり「実」になっている。その成果を夏の選手権でも証明してみせた。

嬉しいのは頼ってくれること、そして高校3年間で立派に人間を磨いたことだ。結果が待ちどうしい!「吉報を待っているぞ」